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小野裕ニ ~進化が止まらない和製ルーニー~

第二十八回
小野裕二
1992/12/22
170cm 62kg
ロワイヤル・スタンダール・ドゥ・リエージュ所属
小野裕二.png

第二十八回の紹介選手は和製ルーニーと呼ばれるSリエージュの小野裕二選手。
JリーグでもFマリノスに所属し若手期待の星として認知している方も多いだろう。
(横浜では「ハマの核弾頭」という物騒な愛称を付けられていたらしい)

小野といえば、高校生でありながらJ1に出場していた選手で、
「早熟」というイメージが強い人が多いだろう。
しかし、決して早熟なだけではなく、
小野自身がその世代では突出した能力を既に備えていた為の起用であった。
日本屈指の名指導者であり解説者でもあるミスターマリノスこと木村和司氏が、
その才能を認めて送り出したのだから、間違いない。
そしていとも簡単にクラブ史上最年少ゴール等の記録まで打ち立てる。
冷静に分析する木村氏をも「将来の日本を背負って立つ人物だ」と言わしめた。

小野はマリノスの下部組織でキャリアをスタートさせ、
マリノスユースで活躍する。
特に圧巻だったのは、
U-17サッカー日本代表に落選した2009年の高円宮杯全日本ユース。
トップ下として出場し、
磐田ユースとの決勝戦ではハットトリックに2アシストという大活躍を見せた。
その後背番号を10に登録。これが小野のトレードマークとなる。
マリノス(J1)に正式登録となった彼は、
高卒新人ながら10番を貰った時は一躍話題になった。


そして今年1月、本人の強い(海外挑戦への)希望によって、
川島永嗣や永井謙佑らが所属する
ベルギーの名門スタンダージュ・リエージュに移籍した。
契約は4年。

ベルギーのクラブの中でもリエージュは浮き沈みの激しいクラブで、
過去に八百長騒動や相次ぐ監督交代等で憂き目を見た時期もあった。
しかし2011年6月23日にデュシャトレ氏が新オーナーになると、
クラブは隆盛期を迎える。
それまでの欧州のみに囚われた保守的なイメージを打破し、
国外での有力選手の獲得と同時に、育成して高く売る礎を築く路線に変更。
積極的にスカウトを派遣し、
「能力は非常に高いのに、市場価値が低い選手」を、
実に買い物上手に獲得している。

川島は語学堪能で、能力も申し分なく当初から「即戦力」として迎え入れたが、
永井と小野については、日本の放映権を獲得するための、
いわば広告塔として獲得したと言っても語弊はなかった。
そしてデュシャトレ会長は、
昨年末に突如リエージュが属しているジュピラーリーグから、
同クラブを脱退させると発表。
そしてリーグの再編を隣国と合わせて行う、まさに革命的構想を発表する。

その内容がこうだ。
『ベルギーとオランダの強豪チームで構成する統一リーグを組織。
構想はスタンダールのほか、
アンデルレヒトといったベルギーの名門チームとアヤックス、
PSVなどオランダの強豪チームを
計20チーム(オランダ12、ベルギー8)を一つにまとめる』
というもの。
各国リーグ結果を参考に新リーグに移行する。
会長としては不退転の決意で
「仮にこのプロジェクトがうまくいかなかったらスタンダールはフランスリーグへの
編入を要望する」と現状のベルギーリーグに戻る考えがないとしている。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/eusoccer/1213/headlines
もし実現したら、イギリスのプレミアリーグのような、実に画期的な試みとなろう。

先ほど小野はクラブ側も加入当初は広告塔だったと話した。
リエージュは、前々から冬の移籍期間で補強したい戦力を明確にしていた。
『経験豊富なポストプレーヤー』だ。
しかし、永井も小野も、まったく逆のタイプ。
早熟だった小野は2010年に17歳でプロデビューしているとはいえまだ20歳になったばかり。

24歳の永井も昨夏のロンドン五輪では代表として活躍したが、
グランパスでプロとしてフルシーズンを戦ったのはわずか1季のみ。
さらに2人とも、ポストプレーを得意とするセンターフォワードではなく、
小野はサイドアタッカー、永井もスピードが売りのゴールゲッターだ。

よって2人の移籍が、クラブ側が日本市場への参入を狙った
「コマーシャル目的」であると決めつけられるのは、
むしろ自然の流れだった。
1月の雪の日、リエージュ郊外にある広大なトレーニング施設で並んで練習を眺めていた地元紙『SUDPRESSE』のイブ・ブシャール記者も、
「日本人選手の獲得は、会長たっての希望だったと聞いている。
日本にマーケットを拡大するための戦略に他ならない」と断言していた。

そんな中合流した小野は、その週末、
1月24日のKVコルトニク戦で、後半の52分から早くもデビューの機会を与えられ、
翌節のアンデルレヒトとの“ベルギー・クラシコ”でも54分から出場した。
しかしシーズン最大のビッグマッチとも言えるアンデルレヒト戦では
まったく自分の持ち味を出すことなく終わり、次戦以降はメンバーから外れた。
日本への一時帰国から戻った永井も
翌節のモンス戦で後半77分から出場したが、
次戦のチームシートに彼の名前はなかった。
翌週からリザーブチームでプレーすることになった2人だが、
その行程は決して悲観的なものではなかった。
短い途中出場で2人のチームへの順応具合をチェックしたレドニク監督は、
フレンドリーマッチに出場させて実戦経験を積ませた。

そこで小野は1ゴール3アシスト、
永井も大量得点とアシストで攻撃手としての存在感を発揮すると、
3月9日のルーベン戦では2人揃ってメンバーに名を連ね、
地元記者の予想を大きく裏切り、小野は初の先発出場。

前半ロスタイムに
左SBイエル・ファン・ダムが一発退場処分なったことで前半だけで退いたが、
22分の2点目のシーンでは頭脳的な体の動きで
得点者へのラストパスをうながすなど、才覚を発揮。
80分から出場した永井も、
ピッチに登場してわずか4分後に
4点目のゴールをアシストする勘の良さを披露して、
サポーターや地元メディアから絶賛された。

加入からわずか2ヶ月で評価をV字回復させ、
半年経とうとする今では、
彼ら日本人選手はリエージュにとって
「欠かす事の出来ない戦力」と言われる。
小野に至っては、「何故獲得したのか」と散々言われていた評価が、
今ではチームメイトからも、
「とくにユージはすごく良いね。
 このままいけば、
 彼は間違いなく来季はチームに欠かせない選手になる」
太鼓判を押されている。

永井も小野も、川島の存在が非常に大きいという。
言葉の壁があるリーグで、川島が通訳としてフォローしたり、
実生活でも悩みを相談出来る良き先輩として後輩の成長を支えている。
試合中は厳しいGK川島だが、
ピッチ外での面倒見の良さやそのまじめな人柄は、
ベルギー人からも絶大な支持を集める。
しかし、小野も永井も川島に頼ってばかりでは居られない。
家庭教師をつけ、フランス語と英語の勉強を日々続けている。
そういった努力をする選手たちだからこそ、
川島もサポートする気持ちになるのだろう。

さて、小野という選手の特長は何だろう。
プレーを見た人は必ずある世界的プレイヤーにスタイルが似ていると口にする。
筆者もその印象を受けた。
そう、イングランドが誇る世界的プレイヤー、ウェイン・ルーニーだ。
攻守にわたって、どの試合でも、どの場面でも、
実にハイレベルな動きを見せ、チームの大黒柱と呼ばれるスタイルだ。
小野はそのスタイルから、和製ルーニーと呼ばれるが、
今までの「和製~~」と違い、名前だけが先行している訳ではない。
攻撃時はプレースピードが速く、視野も広い。
そして日本人選手に欠けているシュート意識も極めて高い。
PA外からでも積極果敢にミドルを打つ。
パスも決定的なスルーパスを中田のように出し、
その攻撃センスは天才的と言わざるを得ない。

小野の持ち味はそれだけではない。
小野だけでなく永井にも言える長所だが、
彼らは本当に前線からのチェイシングを惜しまない。
献身的に、且つ効果的にボールを追い、
相手にプレッシャーをかけ続ける。
ボールを取れる所までいくのは稀だが、
チームの為にランを惜しまない姿が士気を高め、
戦術的な幅も広げる。
逆に相手にとってはゆとりを持ってプレー出来ない為、
非常に相手にしたくない連中に変貌する。
こういった前線からのプレスはルーニーを始め、
マンUの選手達が徹底している事だ。
走らない選手は使わない。
これは最早、フットボール界の世界共通認識だ。

小野に至っては、これといって弱点らしい弱点もないのも強みだ。
身長は低いが、彼のプレーを見る限り、それ程苦にしている様子はない。
空中戦では負けるが、元々そこで勝負する選手ではないと自覚があるため、
ルーズボールへの反応もすこぶる良い。
突破する際のフィジカルも20歳のそれにしては及第点以上だ。

クラブ(リーグ)の行末がまだ不透明ではあるが、
小野は近い将来の日本代表のキーマンになるべく、
日々鍛錬を続けている。
和製のルーニーの進化はまだまだ止まらない。

■小野 裕二
スピード      |★★★★★★★★☆☆ 8
持久力      |★★★★★★★★★☆ 9
フィジカル   |★★★★★★★★☆☆ 8
得点力     |★★★★★★★★☆☆ 8
突破力     |★★★★★★★☆☆☆ 7
守備力     |★★★★★★★☆☆☆ 7
創造性    |★★★★★★★★☆☆ 8
メンタル    |★★★★★★★★☆☆ 8
※ポテンシャル |★★★★★★★★★★ 10
伸びしろ     |★★★★★★★★★★ 10

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ドリアン・バブンスキー&ダビド・バブンスキー ~天才兄弟~

第二十七回
ダビド・バブンスキー
ドリアン・バブンスキー
ダビド 177cm FCバルセロナ所属 1994/31マケドニア
ドリアン 183cm レアル・マドリード所属 1996/8/29 マケドニア
ダビド・バブンスキ.png
dorian・バブンスキ.png
第二十七回紹介するのは、
スペインの名門2クラブのカンテラで眩さを増している俊英兄弟の紹介だ。
旧ユーゴ圏マケドニア人らしく、確かな技術を備えた有望株である。

この兄弟の話は、母国マケドニアの他に、
Jリーグ発足直後のガンバ大阪(エムボマとの活躍を記憶している方もいるだろう)
ブルガリア、ドイツ、ギリシャ、スペイン(ログロネスとジェイダorレリダ)、
と世界中でプレーしてきた、父親のボバンから始まる。
キャリアの終わりに、彼はカステルデフェルス(バルセロナ)に残る事を決意した。
ボバン・バブンスキ2.png
父ボバンの現役引退後はマケドニアの年代別代表を歴任し、
現在はマケドニアU-21代表監督をする傍ら、
A代表でトシャックのアシスタントとしてコーチも勤めている。

彼の息子たちはサッカー選手以外にはなりえなかった。
日がなボールと戯れ、通りでたくさんの試合に参加した。
そこから才能が引き出された。
子供の時から兄弟の競争意識はひどく、
ストリートでの試合では、
たびたび兄弟の本気の取っ組み合いで終わった。

『競争意識は、今は、熱い愛情に変わった。
いつも一人がもう片方を意識していた。
試合について話したり、幸運を願ったり。
相棒がいないとすぐに寂しがった。
ドリアンはいつも、自分の最高の監督は兄貴だと言っていた』
と父ボバンは語った。

ファンのように上着を持って来て世話を焼き、
二人は将来バルサのカンテラで過ごすために、
バルセロナの学校で子供の頃から成長してきた。
カンテラに行く事にはならなかったし、
最終的にバルセロナへ加入する前に、
ダビドは2年でグラマネートへ行かなければならなかった。
ダビド&メッシ.png
↑写真はロッカールームでのメッシとの2ショット。

ドリアンはコルネージャへ行き、そこで4年プレーした。
彼の母、ジュリアは二人のうち一人を他所にいかせる方法を知らなかった。
マドリーからオファーが来るまでは。
考えるのは1度で良かったが交渉は簡単ではなかった。
息子の一人をマドリーへ行かせるには多くの条件があった。
だが二人の代理人、エステーベ・カルサーダはいい方向へ話を持って行く事ができた。
ドリアンは現在、子供のための、マドリーの寄宿舎で生活している。

二人とも良い選手だ。
ダビドはバルサスタイルのインテリオールだ。
趣味は筋トレ。
仲間とはよく団結しており、いい技術やゲームビジョン、
すばらしいラストパスを持っている。
タイプとしてはイニエスタに似た選手だ。
すっかり仲間達と馴染んで、コンビネーションを最大限に活かす術を心得ている。


一方のドリアンはというと、
FWであり、よりタフで、いいシュートを放つ。
趣味は筋トレ。
プレーはまだまだ粗いが、
負けん気の強さを全面に押し出して強引にシュートまで持っていくスタイルは、
いかにもストライカーっぽくて良い。

『二人は世界でも最高の2つのカンテラにいるが選手たち(のプレー)は違っている。
バルセロナでは、ルールから外れず、
ボールを有利に回すように子供たちはボールポゼッションを教わる。
一方マドリーではもっと選手に自由にやらせている。
もっとアドリブが許されている』と父親は言う。
バブンスキ親子.png

2人の未来は明るい。
世界屈指のクラブのカンテラで技と学び、
人格を育まれ、日々成長している。
更に国の代表にはいずれ父ボバンが就きバックアップも事欠く事はないだろう。
表舞台に立ってからの活躍を一日も早く見たいものである。

■ダビド・バブンスキ         
スピード      |★★★★★★★☆☆☆ 7
持久力      |★★★★★★★★☆☆ 8
フィジカル   |★★★★★★★☆☆☆ 7
得点力     |★★★★★★★☆☆☆ 7
突破力     |★★★★★★★☆☆☆ 7
守備力     |★★★★★★★☆☆☆ 7
創造性    |★★★★★★★★★☆ 9
メンタル    |★★★★★★☆☆☆☆ 6
※ポテンシャル |★★★★★★★★★☆ 9
伸びしろ     |★★★★★★★★★★ 10

■ドリアン・バブンスキ
スピード      |★★★★★★★☆☆☆ 7
持久力      |★★★★★★☆☆☆☆ 6
フィジカル   |★★★★★★★★☆☆ 8
得点力     |★★★★★★★☆☆☆ 7
突破力     |★★★★★★★☆☆☆ 7
守備力     |★★★★★☆☆☆☆☆ 5
創造性    |★★★★★★★☆☆☆ 7
メンタル    |★★★★★☆☆☆☆☆ 5
※ポテンシャル |★★★★★★★★★☆ 9
伸びしろ     |★★★★★★★★★★ 10

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ラザル・マルコビッチ ~セルビアの技巧派~

第二十六回
ラザル・マルコヴィッチ
1994/3/2 セルビア(代表キャップ6試合・1得点)
175cm 65kg
パルチザン・ベオグラード所属
マルコヴィッチ.png

第二十六回紹介するのはこの選手。
旧ユーゴ選手らしい高い技術と高度な戦術理解度をプラスした選手だ。
現在まだ19歳ながら、そのポテンシャルの高さは世界屈指の水準を誇る。
現在、あの強豪クラブのチェルシーFCが獲得を示唆している事で話題になっている。


マルコヴィッチは16歳でパルチザンのユースチームに入り、
2011年、FKスロボダ・ウジィツェ戦でプロデビューを果たした。
そしてその8月13日、FKノヴィ・パザル戦でプロ初ゴールを記録した。

マルコヴィッチの特長は確かなボールコントロールテクニックと、
柔軟に対応出来るプレーの引き出しの多さだ。
派手なプレーは少ないが、確実に結果に結びつくプレーを選択し実行する。
ポジションはFWだが、トップ下の選手のように前後の選手と入れ代わりを繰り返し、
状況に応じた位置変動を自ら考えて行える選手だ。
特に一旦下がって受けて、その間に味方がボックス内に上がり、
そこから正確無比な柔らかいクロスを上げる、
といった得意の形は、ため息が出る程完成度が高く、美しい。

短所は、フィジカルの弱さだろう。
身長も175とあまり恵まれている方ではないため、
ファウル覚悟で止めに来られると自由にプレーさせて貰えない場合が多い。
突破力に特化した選手でも無いため、
極端なカウンターサッカーにも適応しずらい。
ある意味でエレガントで繊細な選手で、
タイプとしてはバレロンによく似ている。

■ラザル・マルコヴィッチ
スピード      |★★★★★★★☆☆☆ 7
持久力      |★★★★★★★★☆☆ 8
フィジカル   |★★★★★★☆☆☆☆ 6
得点力     |★★★★★★★☆☆☆ 7
突破力     |★★★★★★★☆☆☆ 7
守備力     |★★★★★★★☆☆☆ 7
創造性    |★★★★★★★★☆☆ 8
メンタル    |★★★★★★★☆☆☆ 7
※ポテンシャル |★★★★★★★★★☆ 9
伸びしろ     |★★★★★★★★★★ 10

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ジャン・マリー・ドングー ~ポテンシャル絶大 NEXTエトー~

第二十五回
ジャン・マリー・ドングー・ツァファック
1995/4/22 カメルーン
183cm 76kg
バルセロナB所属
NextGen シリーズ得点王 2012
ジャン・マリー・ドングー.png

第二十五回は、バルサの秘蔵っ子ドングーをご紹介。
バルセロニスタを自負するファンなら知っていて当然の選手だ。


2008年に、サミュエル・エトオ財団を通して13歳でFCバルセロナに入団。
強靭なフィジカルを活かしたプレーで各カテゴリで成績を残し、
2012年1月28日には16歳でFCバルセロナBデビューを果たした。
5月15日のCDアルコヤーノ戦では初ゴールを記録し、
シーズン終了後には正式にFCバルセロナBに昇格する。
ドングーはサミュエル・エトー財団初のバルセロナB選手となった。

サミュエル・エトー財団は、
母国カメルーンの若手の為に設立した財団で、
毎年8000万円近くを自身で寄付し運営している。
エトー財団出身のバルサカンテラ選手は10人を越え、
更にマラガのファブリス・オリンガという、
リーガでも屈指の期待の新人を輩出している。
オリンガはムニアインが持つ史上最年少ゴールを、
大幅に更新して一躍話題となった選手だ。

さて、話はドングーに戻る。
ドングーという選手はどういった選手なのか?
率直に例えると「いかついエトー」だ。
カメルーン人らしい全身バネのような、
人類として羨ましくなるような素晴らしい筋肉を持つ彼は、
エトーのような抜群の瞬発力とボディバランスを備える。
更にエトーが唯一持てなかった身長をある程度備える。
裏に抜ける動きがメインだったエトーに比べ、
ポストプレーも出来るドングーはプレーの幅も広くなるだろう。
楔としても、スペースでも戦えるというのはまさにCFの理想形だ。

また、日本の一般的なポストプレイヤー(前田やハーフナー等)との絶対的な違いは、
ボールを受ける姿勢だ。
一般的なポストプレー型の選手は、マイナスからの味方のパスに対して、
受ける前から敵のゴールに背を向けて(相手を背負って)受けようとする。
しかし世界的なポストプレイヤーは、
ボールを受ける前には半身の状態で、隙を見て極力前を向いて受けようとする。

↑よく分かる場面は動画の1:56あたり。

一見些細な差かも知れないが、
後者は相手にとって選択肢も広く、
マークする選手は動きを見られながら守備をしなくてはならず、
自分の背後のスペースも気にし無くてはならない。
更に、そこからドリブルで抜かれるような事があれば、
GKとの1:1になる為、闇雲に飛び込んでもいけなくなる。
対照的に前者の場合は「今からポストプレーしますね」と宣言しているようなもので、
自分の動きは相手には見えておらず、
体をぶつけてさえいれば相手の「チャレンジ」は食い止める事が出来る。

ただ例外があり世界的な選手は、敢えてゴールに背を向けてから、
予想外の受け方をして切り返す選手もいる。
例えばクリロナやイブラヒモビッチだ。
一旦ボールを止めたりマイナスへボールを落とすのではなく、
パスが来たらそのまま体を反転させてワンタッチでDFを交わす動きをし、
そのまま自前のスピードでぶっちぎる荒業だ。
こういった事が出来る選手がいると、DFも密着マークも行けず非常に厳しい。

ドングーは既にこういったプレーを心得ている。
細かい駆け引きのうまさがプレーの随所に見られ、
カメラに映らない部分でも実に楽しめる選手だ。
こういった特長もまさにエトーを彷彿とさせる。

裏に抜けるタイミングもエトー程ではないがかなりのものがある。
シャビやイニエスタが裏にボールを出してエトーがオンサイドでボールを受ける、
そんなリプレイを幾度と目にしてきた方も多いだろう。
相手DFは不意を突かれて、数刻の間ボールウォッチャーとなり、
次の瞬間にははるか後方でGKと対峙するエトーにボールが渡っている。
その飛び出しの瞬発力と味方との神通力たるや、まさに芸術の域だった。
ドングーもこれまで度々そういったプレーを見せている。
特にカウンターの場面での速攻では実に効果的だ。

彼の弱点は、復数のDFが彼に集まった場合の打開策がまだない事だ。
特にバルセロナBでは、彼は相手チームにとっても要注意人物な為、
常に激しいマークに合う。
一人相手ならいなしてしまうドングーも、パスの受け処に、
復数の相手DFに詰め寄られると如何と出来ず終わってしまう。
自身にマークが集中するのは味方にとっては数的有利だが、
ドングーという選手の良さを完全に封じられてしまうデメリットの方が大きい。
独力で打開するのはワールドクラスでも厳しい為、
ここは細かいコンビネーションで崩せる相方を見つけるのが最善だろう。
常に前を向いて仕掛けるメッシのような選手と組んだら、
非常に面白そうだと筆者は思う。

また、弱点ではないが、
これから真のワールドクラスになるために改善出来る点は、
前線での守備だ。
エトーは前線から非常にアグレッシブにボールを追って、
相手にプレッシャーを与えていた。
ドングーにはまださほどそういったプレーは見られない。
チームの戦術としてもまだ求められていないのかもしれないが、
エトークラスの選手になるには、そういった献身的なプレーも必要になってくる。
特にバルサのようなクラブでは、逆境に立たされた場面で、
誰かがその役を買ってでなくては、反撃の際にガス欠に陥ってしまう。
それが出来る為にも、日々の走り込み等で更にスタミナを付ける事も大事だ。
基本的でありながら、交代が3枚しかないサッカーのルールの上では、
これが最も求められる能力だ。

ドングーという選手のポテンシャルは絶大だ。
超一流の卵達が名を連ねるバルサの下部組織の中でも、
トップクラスに将来性がある選手の一人だ。
今後更に飛躍を遂げて、恩師エトーのような大ストライカーになる日も近いだろう。
またそういった若手の台頭があってこそ、サッカーというのは面白いのだ。


■ジャン・マリー・ドングー
スピード      |★★★★★★★★☆☆ 8
持久力      |★★★★★★★☆☆☆ 7
フィジカル   |★★★★★★★★★☆ 9
得点力     |★★★★★★★★☆☆ 8
突破力     |★★★★★★★☆☆☆ 7
守備力     |★★★★★☆☆☆☆☆ 5
創造性    |★★★★★★★☆☆☆ 7
メンタル    |★★★★★★☆☆☆☆ 6
※ポテンシャル |★★★★★★★★★★ 10
伸びしろ     |★★★★★★★★★★ 10

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トリスタン・アリフ・ナウファイ ~20年後のバロンドール!?~

第二十四回
トリスタン・アリフ・ナウファイ
2004/12/12 インドネシア
リバプールインターナショナルフットボールアカデミー所属
トリスタン・アリフ・ナウファイ.png

第二十四回は、フトラバ最年少の俊英の紹介だ。
名前はトリスタン・アリフ・ナウファイ。
インドネシア国籍の8歳の男の子だ。
身長は1.1mしかないが、テクニックは既に大人顔負けだ。
まだ8歳の少年だが、サッカーファンの知名度は絶大で、
イングランドを中心にyoutubeの関連動画の再生数は計100万を越える。

現在、(2013年3月に移り住み、4月から)イングランドの小学校に通いながら
リバプールインターナショナルフットボールアカデミーで日々練習を積んでいる。

それにしても凄い。
最初は小さい子が一生懸命サッカーしている姿に、
「可愛いなあ」と思って微笑ましく動画を見ているが、
しばらくするとその繰りなすスキルの数々に驚愕し、
無限の将来性に胸が踊り出す感覚を覚えてしまう。
特に足裏を使ったコントロールの正確度は異常で、
もし仮に11人制のサッカーに進まず
フットサルに転向しても大成する素質を備えている。

インドネシアサッカーはドラッグや賄賂で、
腐敗していると暗いニュースばかりだったが、
このナウファイ君が登場し、一筋の希望の光が射し始めた。

リバプールの関係者によると、
ナウファイ君は大事に育成するとのこと。
身長がある程度まで伸びれば、世界的なスターとなる可能性を秘めている。
是非このまま心身共に健やかに成長することを心から祈りたい。

※今回は能力評価はありません(データ不足の為)
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