アレッサンドロ・ミカイ ～スーパーセーブ連発 無名のGK～
第九回
アレッサンドロ・ミカイ
1993/7/24 イタリア
180cm ?kg
カルチョ・コモ（プリマ・ディビジオーネA・・・セリエBの下にあたる、旧セリエC）所属
第九回に紹介するのは下位リーグ所属のGKアレッサンドロ・ミカイ選手。
「誰！？」と思われた方が殆どだろう。
彼の解説の前に、まずはコモというクラブについて少し話そう。
セリエBより更に下のカテゴリに位置するプリマ・ディビジオーネというリーグに属すコモ。
実は、近年、元イタリア代表のジャンルカ・ザンブロッタがキャリアをスタートとさせたクラブとしても名高い。
創設は1907年。FCコモとして誕生した由緒あるクラブだ。
その後第二次世界大戦期にはACコモ（A.C. Como）を名乗るようになり、
1949-50シーズンにセリエAに初昇格を果たす。
その後はセリエBで戦うシーズンが多くなったが、
70年代、80年代とコンスタントにセリエA昇格を果たす。
そして2001-02シーズンにセリエBで優勝し、
14シーズンぶりにセリエAへ復帰したが、わずか1年で降格。
さらに3年連続で降格を味わい、
2005年には財政破綻のためセリエD落ちを余儀なくされた。
翌シーズン、現在のカルチョ・コモとして再出発した後は何とか持ち直し、
2008-09シーズンにはレガ・プロ・セコンダ・ディヴィジオーネ（旧セリエC2）・ジローネAで3位、
プレーオフを勝ち抜いてレガ・プロ・プリマ・ディヴィジオーネ（旧セリエC1）に復帰した。
------------
そのクラブでレギュラーとして活躍しているのがミカイだ。
コモに所属はしているものの、
保有権の殆どは以前在籍したパレルモが未だ所有している。
つまり出場機会を得る為のローン移籍である。
さて、このミカイ選手・・・名前こそまだ売れていないが、
実はもの凄いポテンシャルを持っている選手なのだ。
GKとしては身長は低い方であるが、反射神経と判断力と度胸は世界屈指である。
特に反射神経においては、世界最高と名高いノイアーやカシージャスすらも凌ぐ。
筆者が初めてミカイの名をしっかりと記憶したのが、2011年。
パレルモユースでの試合。身長の低いGKが、再三とシュートを弾き、
味方をプレーで鼓舞し続ける姿だ。
「コイツは只者じゃない」と思い、
必死に名前を検索して、Micaiという選手だと知る。
あまりに強烈な印象だったので、そのプレーの数々は今でも頭に残っている。
そして約1年後、今度は思わぬ所でその選手の活躍を目の当たりにする。
それは長友が移籍したインテルのシーズン開幕前の親善試合でのものだった。
勿論筆者も長友目当てで試合を観戦していた。
圧倒的な戦力差のインテルvsコモ。
大方の予想通り試合の主導権はインテルが握っていた。
コモも意地でカウンターやセットプレーのチャンスから2点を奪ったものの、
得点した場面以外はほぼ自陣でインテルの攻撃を防ぐのが精一杯だった。
そんな中、試合中最も輝いていたのがアレッサンドロ・ミカイだ。
出場選手中最も若いこのGKは、
インテルの十数本のシュートを止めに止めまくった。
DFが交わされて１：１の場面なんて何度見ただろう。
初めはチャンスを潰した選手への、
インテルサポーターの「おおう・・・」といった落胆の声が起こっていた。
しかし、2本目も止められる3本目も・・
こうしていくうちに明らかに会場の雰囲気は変わっていた。
「何かがおかしいぞ。これはうちのFWが悪いんじゃない」
ざわめき始める会場・・・。そしてミカイが更にインテルの決定機を防いだ。
「あいつは何者だ！！」
会場中のそういった関心を集め、
親善試合を中継していたTVの解説も大はしゃぎで「信じられない」を連発。
そして次のセーブをした時には、
会場はスタンディングオベーションが起こり、歓声と拍手に包まれていた。
結果は３－２でインテルの勝利。
セリエA王者のインテルが格下相手に辛勝。
しかし試合を見た者でインテルの試合内容が悪いと言う者は少なかった。
逆にコモの健闘ぷりを称えるものだかりだったのだ。
「ミカイがいなければあと3点は絶対に入っていた」
誰もがそう思っていた。筆者もそれ以外の感想が思い浮かばなかった。
ただ親善試合であれだけ鳥肌が立ったのは、この試合以外にはあまり記憶にない。
近い将来、
ビッグクラブでの正GKを任せるだけのポテンシャルは確実に備えていると思う。
GKは身長は勿論大事だが、そんなことは彼のプレーを見たらどうでも良いのだな、
と思わせてくれる選手だ。
常日頃からサッカーを愛して止まない人達には、
是非このアレッサンドロ・ミカイという若者の名前を覚えておいてほしい。
■アレッサンドロ・ミカイ
セービング |★★★★★★★★★★ １０
ジャンプ力 |★★★★★★☆☆☆☆ ６
フィジカル |★★★★★★★☆☆☆ ７
判断力 |★★★★★★★★★☆ ９
統率力 |★★★☆☆☆☆☆☆☆ ３
メンタル |★★★★★★★★☆☆ ８
ポテンシャル|★★★★★★★★★★ １０
伸びしろ |★★★★★★☆☆☆☆ ６
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アレッサンドロ・ミカイ
1993/7/24 イタリア
180cm ?kg
カルチョ・コモ（プリマ・ディビジオーネA・・・セリエBの下にあたる、旧セリエC）所属
第九回に紹介するのは下位リーグ所属のGKアレッサンドロ・ミカイ選手。
「誰！？」と思われた方が殆どだろう。
彼の解説の前に、まずはコモというクラブについて少し話そう。
セリエBより更に下のカテゴリに位置するプリマ・ディビジオーネというリーグに属すコモ。
実は、近年、元イタリア代表のジャンルカ・ザンブロッタがキャリアをスタートとさせたクラブとしても名高い。
創設は1907年。FCコモとして誕生した由緒あるクラブだ。
その後第二次世界大戦期にはACコモ（A.C. Como）を名乗るようになり、
1949-50シーズンにセリエAに初昇格を果たす。
その後はセリエBで戦うシーズンが多くなったが、
70年代、80年代とコンスタントにセリエA昇格を果たす。
そして2001-02シーズンにセリエBで優勝し、
14シーズンぶりにセリエAへ復帰したが、わずか1年で降格。
さらに3年連続で降格を味わい、
2005年には財政破綻のためセリエD落ちを余儀なくされた。
翌シーズン、現在のカルチョ・コモとして再出発した後は何とか持ち直し、
2008-09シーズンにはレガ・プロ・セコンダ・ディヴィジオーネ（旧セリエC2）・ジローネAで3位、
プレーオフを勝ち抜いてレガ・プロ・プリマ・ディヴィジオーネ（旧セリエC1）に復帰した。
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そのクラブでレギュラーとして活躍しているのがミカイだ。
コモに所属はしているものの、
保有権の殆どは以前在籍したパレルモが未だ所有している。
つまり出場機会を得る為のローン移籍である。
さて、このミカイ選手・・・名前こそまだ売れていないが、
実はもの凄いポテンシャルを持っている選手なのだ。
GKとしては身長は低い方であるが、反射神経と判断力と度胸は世界屈指である。
特に反射神経においては、世界最高と名高いノイアーやカシージャスすらも凌ぐ。
筆者が初めてミカイの名をしっかりと記憶したのが、2011年。
パレルモユースでの試合。身長の低いGKが、再三とシュートを弾き、
味方をプレーで鼓舞し続ける姿だ。
「コイツは只者じゃない」と思い、
必死に名前を検索して、Micaiという選手だと知る。
あまりに強烈な印象だったので、そのプレーの数々は今でも頭に残っている。
そして約1年後、今度は思わぬ所でその選手の活躍を目の当たりにする。
それは長友が移籍したインテルのシーズン開幕前の親善試合でのものだった。
勿論筆者も長友目当てで試合を観戦していた。
圧倒的な戦力差のインテルvsコモ。
大方の予想通り試合の主導権はインテルが握っていた。
コモも意地でカウンターやセットプレーのチャンスから2点を奪ったものの、
得点した場面以外はほぼ自陣でインテルの攻撃を防ぐのが精一杯だった。
そんな中、試合中最も輝いていたのがアレッサンドロ・ミカイだ。
出場選手中最も若いこのGKは、
インテルの十数本のシュートを止めに止めまくった。
DFが交わされて１：１の場面なんて何度見ただろう。
初めはチャンスを潰した選手への、
インテルサポーターの「おおう・・・」といった落胆の声が起こっていた。
しかし、2本目も止められる3本目も・・
こうしていくうちに明らかに会場の雰囲気は変わっていた。
「何かがおかしいぞ。これはうちのFWが悪いんじゃない」
ざわめき始める会場・・・。そしてミカイが更にインテルの決定機を防いだ。
「あいつは何者だ！！」
会場中のそういった関心を集め、
親善試合を中継していたTVの解説も大はしゃぎで「信じられない」を連発。
そして次のセーブをした時には、
会場はスタンディングオベーションが起こり、歓声と拍手に包まれていた。
結果は３－２でインテルの勝利。
セリエA王者のインテルが格下相手に辛勝。
しかし試合を見た者でインテルの試合内容が悪いと言う者は少なかった。
逆にコモの健闘ぷりを称えるものだかりだったのだ。
「ミカイがいなければあと3点は絶対に入っていた」
誰もがそう思っていた。筆者もそれ以外の感想が思い浮かばなかった。
ただ親善試合であれだけ鳥肌が立ったのは、この試合以外にはあまり記憶にない。
近い将来、
ビッグクラブでの正GKを任せるだけのポテンシャルは確実に備えていると思う。
GKは身長は勿論大事だが、そんなことは彼のプレーを見たらどうでも良いのだな、
と思わせてくれる選手だ。
常日頃からサッカーを愛して止まない人達には、
是非このアレッサンドロ・ミカイという若者の名前を覚えておいてほしい。
■アレッサンドロ・ミカイ
セービング |★★★★★★★★★★ １０
ジャンプ力 |★★★★★★☆☆☆☆ ６
フィジカル |★★★★★★★☆☆☆ ７
判断力 |★★★★★★★★★☆ ９
統率力 |★★★☆☆☆☆☆☆☆ ３
メンタル |★★★★★★★★☆☆ ８
ポテンシャル|★★★★★★★★★★ １０
伸びしろ |★★★★★★☆☆☆☆ ６
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